薩摩焼

こんにちは。駒澤大学駅前の買取専門店『ゴールドパーチェス』です。
皆さまは、焼き物(陶磁器)というとどういったものを思い浮かべるでしょうか。

日本には、伝統的な焼き物がたくさん存在します。
代表的なものでいうと、「美濃焼」「瀬戸焼」「有田焼」「九谷焼」などが挙げられます。
耳にされたことがある方も多いのではないでしょうか。

現代の生活にも密接に関わり合い、且つ骨董品としての価値も高い陶磁器の中から、本日は価値が高騰しつつある『薩摩焼』についてご紹介させていただきます。

薩摩焼は、主に鹿児島県の薩摩地方(現在の鹿児島県)で生産される焼き物です。
薩摩焼は、その特有の風合いと美しい釉薬の仕上がりで知られ、長い歴史と深い文化を誇ります。

もともとは薩摩藩主である島津義弘が、朝鮮出兵の際に朝鮮から連れてきた陶工により薩摩藩各地に窯を開いたことで誕生しました。
最初の頃は、薩摩焼は主に日常的な食器や実用品を作るための焼き物として用いられていましたが、徐々にその技術が洗練され、観賞用の陶磁器や、贈答用の高級品としても作られるようになりました。
特に江戸時代の中期から後期にかけて、薩摩焼は藩主の庇護を受けて大きく発展しました。
また、江戸時代から明治時代の変遷期になるとパリ万博が開催され、薩摩藩は薩摩焼を出品します。
それ以降、海外の市場で大変人気となり、「SATSUMA」と呼ばれ世界的に有名な陶器となりました。

薩摩焼には、「本薩摩」と「京薩摩」という二つの異なるスタイルが存在し、それぞれが異なる特徴と歴史的背景を持っています。
これらは、薩摩焼が発展する過程で異なる地域や時代の影響を受けて生まれたものです。

「本薩摩」とは

伝統的な薩摩焼のことを指します。これは、薩摩地方の陶芸が発展した最も基本的なもので一般的に言う「薩摩焼」の本流を意味します。

本薩摩は大きく分けると「白もん」と呼ばれる「白薩摩」と「黒もん」と呼ばれる「黒薩摩」の二つに分けられます。
それぞれの釉薬が独特の美しさを持っています。

黒薩摩

黒釉を施したものが多く、艶やかで重厚感のある仕上がりです。
黒釉は、焼成時に高温で焼かれ、主に茶碗などの実用品や日用品が焼かれておりました。
長年使用されることで味わい深くなることから、古くから愛されてきました。

白薩摩

象牙質のクリーム色の生地に透明釉が掛けられていることや、表面を貫入という細かいヒビが覆っていることが特徴です。
淡い色合いであり、清楚な印象を与えるため、上品で高貴な雰囲気を持ちます。
器面には赤や青、緑、黄色といった鮮やかな絵の具で絵付がされます。さらには金彩で細かい模様を施した華やかなものや、透彫がなどの造形も特徴的です。

中でも白薩摩で特に品質が高いものは、島津藩や大名へ献上され「献上薩摩」と呼ばれていました。
抹茶椀、香炉、香合、花瓶などの評価が大変高く、今も歴史的な遺産として残されています。

「京薩摩」とは

京都の陶芸家が薩摩焼の技法を取り入れて作った陶磁器を指します。
明治時代に、薩摩焼の技術が京都に伝わり、京都の陶芸家たちがその技術を発展させたことで、「京薩摩」と呼ばれるスタイルが誕生しました。
絢爛豪華な色彩や綿密な絵付が特徴であり、その高い技術から超絶技巧と評されています。

薩摩焼の有名作家

素山

輸出薩摩最盛期に京都で活躍した絵付け師で、焼き物に銘が残されていること以外、多くが謎に包まれた作家です。
繊細で鮮やかな作品の数々を生み出し、天才絵付け師として、国内外で大変評価が高い人物です。

錦光山

明治5年頃から薩摩焼の作風を取り入れ精緻で雅な花鳥図を中心とした京薩摩の作品を制作し、京薩摩の生みの親とされています。

中村楳渓

素山同様、素晴らしく精巧な作品が残されている国内外で評価の高い絵付け師の一人です。
銘の他に大変細かい字で作品の品質保証や製作の苦労などを書き付けたものが多く残っていることが特徴的です。

現在の薩摩焼は、伝統的な技法を守りながらも、現代的なデザインや実用性を兼ね備えた作品が増えています。

現代の陶芸家たちは、薩摩焼の伝統を尊重しつつも、個性を発揮して新しい形の陶芸を作り出しています。そのため、現代の薩摩焼は、伝統と革新が融合した美しい作品として、世界中で注目されています。
また、薩摩焼は観光や文化交流の一環としても重要な役割を果たしています。
鹿児島を訪れる観光客は、地元の窯元を訪れ、実際に薩摩焼の製作過程を見学したり、自分の手で陶器を作ったりすることができます。こうした活動は、薩摩焼の魅力を世界中に広める一助となっています。

薩摩焼は、長い歴史と高い技術を誇る日本の伝統的な陶磁器です。
その独特の美しさと精緻な技法は、今もなお多くの人々に愛され続けています。
日本国内はもちろん、海外にも多くのファンを持つ薩摩焼は、今後もその魅力を発信し続け、さらなる発展を遂げていくことでしょう。

さて、本日は薩摩焼について紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

もしかしたら、ご自身では価値がわからない薩摩焼がご自宅に眠っているかもしれません。
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